庭木の手入れ、ベランダの鉢植え、小さな家庭菜園 ── 植物を育てることを、長く楽しんでこられたご両親は少なくありません。土に触れ、水をやり、芽吹きや花を待つ時間は、心を穏やかにしてくれます。そして、その手入れを一緒にする時間は、親子で自然に言葉を交わせる、またとないひとときになります。
向かい合って「さあ話そう」となると、かえって言葉が出てこないこともあります。けれど、並んで手を動かしながらなら、季節の話や昔の思い出が、ふとこぼれてくるものです。本記事では、ご両親と一緒に植物を育てながら、穏やかな時間を分かち合う工夫をご紹介します。
ご本人が育ててきたものを、教わる
もしご両親が長く庭仕事や園芸を楽しんでこられたなら、まずはその知恵を教わるところから始めてみてください。「この花は、いつ植えるの?」「水やりのコツは?」── 尋ねれば、ご本人は長年つちかってきた工夫を、いきいきと語ってくれます。
教える側にまわることは、ご本人にとって大きな張り合いになります。手をかけてきた庭や鉢を一緒に眺め、その来歴を聞くだけでも、豊かな会話が生まれます。受け継いだ育て方は、いつかあなた自身の暮らしの中で、ご本人を思い出すよすがにもなります。
無理なく続けられる、小さな規模で
一緒に植物を育てるなら、手間のかからない、小さな規模から始めるのがおすすめです。ベランダの鉢植えひとつ、窓辺のハーブ、プランターの葉物野菜 ── 大がかりにせず、ご本人の体に負担のかからない範囲で楽しむのが、長続きのこつです。
土いじりは、しゃがんだり立ったりと、思いのほか体を使います。高さのある花壇やプランタースタンドを使う、作業を短い時間で区切る ── ご本人のペースに合わせた工夫があると、無理なく続けられます。「今日はここまで」と、ゆったり構えるくらいでちょうどよいのです。
季節の移ろいを、一緒に味わう
植物を育てる楽しみは、日々の小さな変化に気づくことにあります。「つぼみがふくらんできた」「新しい芽が出た」── そんな発見を電話やメッセージで報告し合うだけでも、離れて暮らす親子の間に、季節を分かち合う温かいやり取りが生まれます。
花が咲いた、実がなったといった節目には、写真を送り合うのもよいでしょう。一緒に世話をしてきたものが育っていく様子は、何でもない日々に、ささやかな彩りと張り合いを添えてくれます。植物の生長は、会話の尽きない、格好の話題になります。
収穫やお世話の喜びを、分かち合う
家庭菜園で野菜が採れたら、一緒に収穫し、その日の食卓に並べてみてください。自分たちで育てたものを囲む食事は、味わいもひとしおです。「うまくできたね」と喜びを分かち合う時間が、親子の絆をそっと深めてくれます。
育てた花を玄関に飾る、採れたものをご近所におすそ分けする ── 手をかけたものを誰かと分かち合うことは、ご本人の暮らしに小さな誇りと、人とのつながりをもたらします。一緒に育てた植物が、暮らしの中で人と人をつなぐきっかけにもなります。
土に触れる時間が、心をほぐす
土に触れ、緑を育てる時間を、「気持ちが落ち着く」「穏やかになれる」と感じる方は少なくありません。親子で並んで手を動かすうち、肩の力が抜け、ふだんは言えない本音がふとこぼれることもあります。
うまく育てることを目的にする必要はありません。一緒に土に触れ、季節を感じ、他愛ない話をする ── その時間そのものが、何よりのめぐみです。無理のない範囲で、ご家族らしい緑との付き合い方を見つけてみてください。
親と一緒に植物を育てる時間は、土に触れ、季節を分かち合い、自然に言葉を交わせる、穏やかなひとときです。立派な庭でなくても、鉢ひとつから始められます。並んで手を動かすその時間が、親子の絆をそっと育ててくれます。
Norolu は、ご家族が季節を分かち合い、穏やかな時間を重ねていくお手伝いを続けています。日々の会話のきっかけから、思い出を未来へ残す試みまで ── 家族の温かい時間を、これからもそっと後押ししてまいります。