夢中になれる楽しみがあること、心を通わせられる人とのつながりがあること ── それは、毎日に張り合いと彩りをもたらしてくれます。年を重ねても、ご自分の「好き」を大切にして過ごすご両親の姿は、見ているご家族にとっても何よりの安心です。
とはいえ、暮らしの変化の中で、これまでの楽しみから少し足が遠のいてしまうこともあります。本記事では、ご両親がご自分らしく毎日を楽しめるよう、その「楽しみ」をそっと後押しするために、ご家族にできる小さな工夫をご紹介します。
昔好きだったことを、もう一度
新しいことを始めるのは、誰にとっても少し気おくれするものです。そんなときは、ご本人が若い頃に親しんだことに、もう一度目を向けてみるのがおすすめです。手芸や園芸、釣りや将棋、絵を描くこと、楽器 ── 「昔、好きだったことって何だった?」と尋ねてみると、しまい込んでいた楽しみの記憶がよみがえってきます。
「また始めてみたら?」と背中を押すだけでなく、道具を一緒に探したり、はじめの一歩に付き合ったりすると、ご本人も動き出しやすくなります。かつて打ち込んだことには、ご本人なりの思い入れや腕前があります。その話に耳を傾けるだけでも、いきいきと語ってくださるはずです。
地域の集まりやつながりを、さりげなく案内する
人と顔を合わせ、言葉を交わす機会は、毎日に温かい張り合いをもたらします。お住まいの地域には、公民館の講座や趣味のサークル、体操や歌の集まりなど、気軽に参加できる場が思いのほかたくさんあります。市区町村の広報や、地域包括支援センターで、どんな集まりがあるかを尋ねることができます。
ただし、「行ってみたら」と強く勧めると、かえって気が進まなくなることもあります。「こんな集まりがあるみたいだよ」と情報をそっと渡し、選ぶのはご本人に任せる ── その距離感が大切です。はじめは付き添ってみる、知っている人がいる会を選ぶなど、最初の一歩のハードルを下げる手助けをしてあげてください。
新しい楽しみとの出会いも、一緒に
これまで縁のなかったことに、思いがけず夢中になることもあります。ご家族が「一緒にやってみない?」と誘うことが、新しい楽しみとの出会いのきっかけになります。一緒に映画を見る、写真を撮りに出かける、なつかしいクイズを解いてみる ── 肩肘張らずに楽しめるものから始めるのがおすすめです。
当社の「思い出ドリル」のような、昭和・平成のなつかしいテーマを楽しむWebアプリも、そのひとつです。クイズを解きながら「これ、覚えてる?」と語り合えば、楽しみと家族の会話がいっぺんに広がります。ご本人のペースに合わせ、「楽しい」と感じてもらえることを、何より大切にしてください。
「役に立っている」実感を、大切にする
楽しみと並んで、毎日の張り合いになるのが、「誰かの役に立っている」という実感です。料理や畑仕事、お孫さんの世話、家事の知恵 ── ご本人が長年培ってきたことを頼り、教わる立場に回ることは、ご本人にとって大きな喜びになります。
「お母さんの煮物のコツ、教えて」「おじいちゃんに、これお願いしたいな」── そんなひと言が、ご本人の出番をつくります。何でも先回りして手伝うのではなく、ご本人ができることはお任せし、頼りにする。その姿勢が、ご本人の「自分はまだまだ役に立てる」という前向きな気持ちを支えます。
見守る家族の、ほどよい距離感
楽しみを応援するうえで心がけたいのは、「させてあげる」のではなく「一緒に楽しむ・そっと支える」という姿勢です。ご家族がよかれと思って熱心になりすぎると、ご本人はかえって気が重くなってしまうこともあります。
何を楽しみ、誰とつながり、どう過ごすか ── その選択は、あくまでご本人のものです。ご家族にできるのは、選択肢をそっと差し出し、踏み出す背中を少し押し、その様子を温かく見守ること。ほどよい距離を保ちながら、ご本人の「好き」を尊重することが、いちばんの応援になります。
夢中になれる楽しみや、人とのつながりは、ご本人がご自分らしく毎日を過ごすための、かけがえのない宝物です。昔の「好き」を呼び覚まし、地域の場をそっと案内し、新しい出会いに一緒に踏み出し、頼りにし、温かく見守る ── どれも、難しい準備のいらない小さな後押しばかりです。
間に立つご家族のさりげない一歩が、ご両親の毎日に彩りを添えます。Norolu は、なつかしい話題で会話を広げる「思い出ドリル」をはじめ、ご本人とご家族がともに楽しめるきっかけを、これからもご用意してまいります。